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特別児童扶養手当等の支給に関する法律の答弁経緯

特別児童扶養手当の支給に関する法律

答弁経緯のまとめ

前提情報

1964年(昭和39年)6月26日成立

初期法律名:重度精神薄弱児扶養手当法

創設時の経緯

第46回国会衆議院 / 社会労働委員会第39号 / 昭和39年5月7日
議案説明小林国務大臣

ただいま議題となりました重度精神薄弱児扶養手当法案について、その提案の理由並びにその要旨を御説明申し上げます。

政府は、かねてより母性保健対策を講ずることにより精神薄弱児の出生を防止するとともに、不幸にして精神薄弱の状態にある児童につきましては、児童福祉法に基づく児童福祉施策の一環として、児童相談所による相談指導、在宅指導の助成等を行なうほか、精神薄弱児施設または里親制度を活用しての援護の措置を講ずることによって、その福祉の増進をはかってまいったところであります。しかし、これらの諸施策は、かかる児童の将来の自立のための保護、特にその生活及び職業の指導に力点が置かれていたのであります。

今後、精神薄弱児の福祉を増進するためには、これらの児童が家庭にあって介護されている場合には、在宅指導を強化するとともに、特に重度の精神薄弱児の父母その他の養育者には、国の責任において特別の手当を支給することにより、その福祉の増進をはかる必要があると考えられます。かような家庭にある重度精神薄弱児について、国が一定の手当を支給する制度を設け、精神薄弱児対策に一歩前進をはかりたいと存じ、この法律案を提出した次第であります。次に、重度精神薄弱児扶養手当法案の内容について、その概略を御説明申し上げます。

第一に、支給対象者の範囲でありますが、この手当は、日常生活において常時の介護を必要とする程度の精神薄弱の状態にある二十歳未満の児童を監護する父母またはその児童を養育する父母以外の者に支給することといたしております。ただし、その者が公的年金給付を受けることができる場合、または一定額以上の所得がある場合などにおいては支給しないことといたしております。

第二に、重度精神薄弱児扶養手当の額は、一月につき、監護しまたは養育する重度精神薄弱児一人当たり千円といたしております。

第三に、重度精神薄弱児扶養手当に関する費用は、給付費及び事務費とも全額国庫で負担することといたしております。

第四に、この法律の施行期日でありますが、昭和三十九年九月一日から施行いたすこととしております。

以上が重度精神薄弱児扶養手当法案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

出典:国会会議録 ↗
第46回国会衆議院 / 社会労働委員会第47号 / 昭和39年5月27日
答弁小林国務大臣

(略)

また、こういうことは初めてのことでありまして、この法律なりこの予算なりを通すにつきまして、政府部内においても、またわが自民党の中においても、どれだけの困難な論議がかわされたかということも私は申し上げておかなければなりません。ことに大蔵省方面においては、このことは将来に非常に大きな尾を引くのだ、こういうことでこれに対して非常な賛成についてのちゅうちょをされたのでございまして、そういう意味では実は児童扶養手当の法の中に入れていいんじゃないかという議論がありますが、私は将来を考えて、あえてこの独立の法を選んだ。

すなわち私は、重度の精神薄弱児だけを相手にして、対象にして考えたのではありません。これらの成年についてもぜひこの問題の中に包含させたい。すなわち二十歳以上の精薄者については、いまだに福祉年金の支給がない。これらを私は一緒に包含をしたい。また現に、御承知のように、二十歳未満の重度身体障害者については、これはいま何も手当てをしておりません。年金もくれておらぬ。それで私は、たとえこの法律が通っても、今後の問題として成年に達した精薄者の問題が残っておる、また二十歳未満の身体障害児の問題が残っておる、これらも私はどうしても解決をしなければならぬ、こういう責任を感じておりまして、その暁においては、私は、重度精神薄弱児でなくて、重度心身障害者に対するかような制度に補完をさせたい、こういうふうな考え方を持っておるために、いろいろ議論があったが、あえて独立の法律を選んだ。

すなわち出発は小さいが、将来の成長と申しますか、こういうことに非常に大きな期待を持っておるためにかような形を選んだということも、ぜひひとつ御了解を得ておきたいのでございます。

(略)

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

これはお話のとおり一番おくれている部面で、精薄関係については政治があまり及んでおらぬ、こういうことがはっきり言えるのでありまして、現に収容数等も必要な数の四分の一か五分の一しかないというようなことでありまして、施設そのもについても非常に不十分で、これを施設に引き取りさえすれば一家が救われる、また一家が社会復帰が十分できるということでありまして、施設問題につきましても非常におくれているのを取り戻し、基礎研究をしなければならぬのはお話のとおりでありまして、

(略)

お粗末な法律でありますが、やっとこれでその方面の第一歩を踏み出す、こういうことで、これからこれを拡充しなければならぬということは私ども強く考えておりますので、ぜひひとつ御協力を願いたいと思っております。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

いまの問題でありますが、当初私は、これを精神薄弱者、要するに心身障害者というふうにいたしました関係上、これらは大体福祉年金に準ずるもの、こういう考え方で一人千八百円要求を出しておるのでございまして、これは今後とも、少なくとも障害福祉年金との権衡を得るような方向でいきたい、これが厚生省の考え方、したがって、最初は薄弱児だけでなくて、重度心身障害者全部のものを出しましたから、相当の金額になっております。しかし、いずれにしろ金額は障害福祉年金に準ずるものをいたしたい、こういうのが私どもの考えでございます。

出典:国会会議録 ↗
答弁黒木政府委員

実はこういう精薄児で重度の者が、親がなくなりました場合に——非常に親御さんも不安でしょうし、子供たちにとっても不幸でございますから、大臣から御指示がございまして、生命保険会社といろいろまた相談をいたしまして、イギリスでやっておるような保険でこれを見るというようなことも一案だし、それから親の会で考えておられます精薄金庫と申しますか、親が在世中に能力がある場合に、ある程度掛け金をしておいて、そして親がなくなった場合に、その信託された金で死後のめんどうを見る、専門家にまかせるというようなことで現在計画をいたしておりますが、私のほうでもそれに参加いたしまして、いろいろ相談に乗っておるような状況でございます。

それからコロニーの問題も、結局軽い者、重い者、お互いが共同して、あるいは共済というような考え方で一つの集落をつくっていくというような計画もありまして、これは各地でそういう民間の団体側、親の団体側で計画をいたされておるようでありますから、厚生省として積極的に協力をしたい、後援をしたい、かように考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

私もあまりに少ないと思っています。最初とにかくせめて福祉年金に該当するように、また福祉年金の幅もあのまま据え置かれるとは思いませんから、少なくともこれに準じた金額を出したい、こういうふうに考えております。

この多少のいきさつを申し上げれば、実はこの法律なり予算というものは非常に困難でありまして、大蔵省においても最後までこれば絶対認めないということで、いろいろのいきさつの結果やっと通った、こういうことでこの問題に関する限りは針のめどがいかにも小さかった、こういうことでやむなく今年はこれでがまんしたという事情でございますので、御趣旨のとおりに私は思いますから、これの増額等もやはり最近の機会に考えていきたいと考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁黒木政府委員

実は先ほど大臣も申されましたように、この給付額なり給付の条件等は非常に制限的でございまして、児童扶養手当の給付額が第一子が千円であるものでありますから、結局それに右へならえさせられてしまったのであります。

それから所得制限等につきましても、結局児童扶養手当と同じようなことになってしまったわけでありますが、これは御意見のように非常に不満とするところでありまして、何とか今後改善してまいりたいと思います。ただ、私たち児童局が引き受けましていろいろがんばりました結果、この併給の関係で突破口をちょっと認めてもらいましたのは、実は母子福祉年金で、満十五歳になりますと精薄児の子供を、たとえば長男が精薄児で、二男が正常児であった場合に、年齢延長が精薄児にはございませんから、母子福祉年金の併給ができないことになってしまうのでありますが、これをただし書きで救済をいたしまして、満十六歳以上になりましても満二十歳までの間はこの手当が支給できるというようなことを、ただし書きで追加をしたのでありますが、そういうことで、徐々にではありますが、この併給の問題は改善をしてまいりたいと思っております。

出典:国会会議録 ↗
第46回国会衆議院 / 社会労働委員会第48号 / 昭和39年5月28日
答弁小林国務大臣

いまのお尋ねでありますが精神薄弱児問題についての施策が非常に不十分であった、こういうことは十分反省もし、また私どもは昨日も申し上げたのでありますが、

(略)

とにかくこの内容につきましては昨日もいろいろ御不満が述べられておるのでありますが、一つのこれが前進のきっかけとしてこの施策が十分に拡充されていくように希望しておるものであります。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

私はあまり率直にものを申し上げて恐縮でございますが、私どもは中で十分に議論を尽くさなければならない、こういう制度をつくるには。私はそういう希望を持っておったが、話し合いの上で、私も一応省内の意見としてはそれに統一した、こういうことでございます。しかし私は今後に望みを持っております。また今度独立の法を出したのも、いま申すような成年以上の者も何とか制度の対象にしたい、こういうことで、中には省内では児童扶養手当法の中に入れればいい、この程度のものであればそれでいいという議論があったのでありますが、それはそれだけで終わってしまう心配がある。したがってまた身体障害の重度の子供も入れたいし、また成年者の精薄者も入れたい。こういうような大きな希望を持っておるので、その火種と申してはどうでありますか、そういうものでもって一応出発したい、こういうことでありまして、ここのところは私は省内の意見をさようにまとめてきた、こういうことであります。いま八木さんの御意見は十分に参照いたしたい、かように思います。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

これは私は政府部内のお話を多少申し上げておきたいのでありまするが、実はこの問題は全然大蔵省は受け付けません。したがって何度かの事務折衝の間に、最初からほかの予算というものは幾ぶんずつ認めるものでありますが、これは最後まで全部ゼロであったわけであります。それで明日予算をきめようという前に、私が田中大蔵大臣と直接折衝して、ようやくこれだけ大臣の非常にあたたかい考え方によって特に認められた、こういう事情でありますので、あの際の事情としては、わずか三十分か一時間の間に幾つか残った問題を折衝して、そしてその中でこれができたというような——私どもとしては田中大蔵大臣の特別なお計らいでできたということで、非常に感謝をいたしておるのでありまして、この際金額の問題について、大蔵大臣も十分心得ておられますので、お責めになることは私としてはどうも申しわけないことでありまして、これができた、これからの含みも相当ありますので、私のわがままを申せばその問題だけで大蔵大臣をここでもっていろいろ仰せられることはどうかと私は考えるのであります。それでこの問題について大蔵大臣は非常に理解を持っておられるということも、特に申し上げておきたいと存じます。そういうことで金額も私は不足であり、大蔵大臣もこれでいいと思っておりません。その際、もっと申し上げれば、事務当局に非常な圧力を加えて、それじゃこの程度ということでようやくきまったという事情もありますので、その辺の事情はひとつ御了解くださいまして、この際大蔵大臣をお責めになるということは、ひとつ私からお許しを願いたい、こういうふうに存じます。それだけにこの問題について大蔵大臣非常に責任を感じておられるのでありまして、八木委員の言われるような、御期待に沿うような措置が漸次とられる、こういうように考えますので、御了承願います。

出典:国会会議録 ↗
答弁黒木政府委員

この重度精薄児手当法案に関する限りは、実は私のほうは併給、差額支給ということも検討してみたのでありますけれども、大臣同士の話し合いでは従来の児童扶養手当法の基準によって万事きめるのだという条件がございましたから、結局それに押し切られたという事情でございます。従来児童扶養手当法でも、あるいは国民年金法でも併給の規定がないのでありますが、これは同じ所得保障で重複するのはおかしい、もちろん一つの手当てだけで十分な生活ができるということが前提であるはずなのですけれども、将来そういうことになるということを予想して、所得保障が重複するのはおかしい、こういうような抽象的な考え方からこういうことになっておるのではないかと思うのであります。しかし、私のほうでも、大臣が申されましたように、この手当額がいずれも低いのでありますから、差額支給なり併給について今後とも大臣の御指示によりまして努力してまいりたいと考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁黒木政府委員

確かに先生のおっしゃったように、私たちも割り切れない感じを持っておるのです。そこで、重度精薄児の手当の性格を所得保障的なものではないのだ、何か別の知恵をしぼりたいと思ったのですけれども、要するに監護料的なものということになりまして、結局は広い意味の所得保障になるのであります。同じように、老齢年金も障害年金も、所得保障的な同じような性格のものである。したがって、従来の原則に従って併給ができないのだということで、結局理論的にも行き詰まったのですが、そこで監護料と言いながら一種のエンカレッジング・マネー、激励的なものだ、だから所得保障とは少し違うのだという理屈も考えられるのですが、エンカレッジング・マネーと言いながら、結局そういう障害者の所得に関連があるのだから、やはり所得保障的なものではないかということで、これも結局は行き詰まってしまって今日の結果に至っておるわけでございますが、そういう問題も、ひとつ今後はさらに併給なり差額支給の問題なりで前進するために努力してみたいと思っております。

出典:国会会議録 ↗
第46回国会衆議院 / 社会労働委員会第50号 / 昭和39年6月3日
答弁小林国務大臣

社会保障制度審議会の答申を尊重するのは当然でありますが、私どもは、この重度精薄問題につきまして、理想的にいえば、やはり収容ということが一番いいと思うわけです。ただこれは、事実問題としてなかなかできない。非常にたくさんの経費を要することでありまして、理想はそこにありまするが、当分、そこまで持っていくことはなかなか困難でございます。したがって、在宅の方は、やむを得ないで相当期間これからもまた継続される、こういう方はそのまま放置できない、こういうことでやはり手当、こういう制度も併用するということはやむを得ない。しかし、できるだけの収容施設をつくって、そして入ってもらおう、こういうふうな方向で進むべきであると私は考えます。しかし、それまでなかなかできませんからして、これもある程度やむを得ない。金額については、私どもも、いまの福祉年金に相当する千八百円を提案したのでございますが、これが実現を見なかった。この点も厚生当局としては非常に不満足でありまして、今後の拡大をぜひしなければならぬ、こういうふうに考えております。またこの問題について、わずかな金について所得制限等も私どもは不満足であります。これらもできるだけ緩和していきたい、こういう考え方を持っておりますが、とにかく毎々ここで申し上げましたように、出発におきましてはいろいろなこういう制約を受けたが、とにかく出発させたい、こういうことで、やむなく政府部内の話としてはこういうことでまとめたのであるが、厚生当局としては、これらについてはきわめて不満足であるので、これからこれの改善拡充をしたい、こういうふうに考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

いや、あるなしではない、そういう事実を申し上げているのです。そういうことで、最後まで大蔵省はこれを承認しない。最後の段階でようやく私と大蔵大臣の折衝で、とにかく針のめどの小さいところを通るためには、やむを得ず何かの点で、妥協と申しますか、話をつけなければならぬ、こういうことで、お話のように二十歳以上の精神薄弱者は除かれている。これは私は政治の面の非常に大きな欠陥だと思っております。しばしばこの席で申し上げておりまして、これは直さなければならぬ。いずれかに、とにかく入れなければならぬ、こういうことを厚生当局は強く考えておるのでありまして、お話のとおり、これはもう私どもとしても、このままでは絶対に推移せしめることはできない、こういうふうな考え方をいたしております。

出典:国会会議録 ↗
答弁黒木政府委員

これは第二条に書いてありますように、「重度精神薄弱児の生活の向上に寄与することを趣旨として」ということで、今度の手当の趣旨が明記してあるのであります。大体介護料的な意味を持つものというふうに私どもは解しております。したがいまして、重度の精神薄弱児の介護的なために用いてほしいという規定でございます。

出典:国会会議録 ↗
答弁小林国務大臣

これはやっぱりいろいろ欠陥のあることはわかっておりますが、私ども、まずもってこういう出発をして、これから改善をしていきたい、こういうことで出ておるのでありまして、御意見等は十分承っておきたいと思います。

出典:国会会議録 ↗

1966年(昭和41年)の性格整理

第51回国会衆議院 / 社会労働委員会第31号 / 昭和41年5月7日
答弁竹下精紀児童家庭局長

重度精神薄弱児扶養手当につきましては、こういう障害の重い子供さんを持っておる扶養者につきまして手当を出すということでございまして、そういう面からいたしますと、現実には、そのために非常に金を使っておるという面も多々あろうかと思うわけでございます。ただ、本来の扶養手当の性格につきましては、成立の当初から問題がございまして、所得保障であるのかあるいは特別の介護費であるのか、こういう点が議論になったわけでございます。そういう面、私どものほうでもいろいろ検討した結果といたしまして、やはりこれは特別介護という面を主として考えるべきではないか、所得保障というよりも介護費という面で考えるべきではないか、こういう性格づけをいたしたわけでございます。そういう点からいたしますと、精神薄弱児のみならず、重度の身体障害児にも及ぼすべきである、また、所得制限の大幅な緩和、あるいは公的年金をもらっておりましてもこれをあわせて支給する、こういうふうにやっていくべきではないかということで、手当の額ももちろん大事でございますけれども、性格を明らかにするという面で範囲の拡大ということを今年度は実現したわけでございまして、今後につきましては、所得制限の緩和あるいは公的年金の併給ということでこの手当の性格を明らかにしていきたい、かように考えておる次第でございます。

出典:国会会議録 ↗
第51回国会衆議院 / 社会労働委員会第33号 / 昭和41年5月11日
答弁鈴木善幸厚生大臣

所得制限の問題につきましては、特別扶養手当が介護のための手当、ちょうど施設に収容いたしました際における特別介護費、これに相当する意味合いのものでございますから、伊藤さんが御指摘になりましたように、所得保障とかそういう性格のものではない。この点からいたしまして、私も、できるだけ所得制限等は将来撤廃するようにしたい、こういう考え方で今後この特別扶養手当につきましてはよく各方面の理解を得るように、そういう方向に進めてまいりたい、こう考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁鈴木善幸厚生大臣

この特別扶養手当は、先ほど申し上げましたように、介護料という性格をまずはっきりさせる必要がある、そういう意味合いから、この制度を改善いたします場合に私ども重点をどこに置いたらいいかという問題になるのでありますが、一つは、やはりその性格からいって所得制限を撤廃するということ、母子福祉年金だとかあるいは児童扶養手当であるとか、そういう所得保障的な制度と併給をさせる、こういう改正に一番重点を置いてぜひやりたい、私どもはこう考えておるのであります。

(略)

出典:国会会議録 ↗
第51回国会衆議院 / 社会労働委員会第38号 / 昭和41年5月26日
答弁鈴木善幸厚生大臣

特別児童扶養手当は、重度精神薄弱児等の子供の生活に寄与する、こういう趣旨に従来なっておりまして、所得保障の一部なのか、あるいはこういう気の毒な子供さんの介護に相当手がかかる、費用もかかる、その一部を補助する、こういう趣旨なのか、その辺が両面を持っておるのか、きわめて明確を欠いておったように私思うのでございます。今回重度精薄児だけでなしに、重度の肢体不自由児あるいは重症心身障害児に範囲を広げるにあたりまして、私どもいろいろ検討いたしました結果、これは実態からいって介護料の一部を補助をする、こういうぐあいに考えそういう制度として今後拡充していくはうが適切ではないか、このように考えた次第であります。したがいまして、今後は所得制限等は撤廃をいたしまして、全部のそういう子供さんにこれを支給する方向で今後さらに努力していきたい、こう考えている次第でございます。

出典:国会会議録 ↗
答弁鈴木善幸厚生大臣

特別児童扶養手当につきましては、御説のとおり単純な所得保障ということでなしに、これは介護料的な性格を多分に持つのでございますから、したがいまして、所得制限等によって支給されないものが多数出てくるということは、この制度の性格からいって適当でない、私もかように考えておる次第でございまして、今後は特別介護料という性格をはっきりさせまして、支給制限の撤廃をはかるという方向で努力をいたしたいと考えております。

出典:国会会議録 ↗
答弁鈴木善幸厚生大臣

先ほど吉川さんからもお話がありましたように、重症心身障害児を持っております御家庭の苦労ということは私どもよくわかるわけでありまして、さような観点から今回は全国で十一カ所、五百二十ベッドの国立の収容施設を設置することにいたしたのであります。今後この施設を五カ年計画で少なくとも五千床に拡充をしていきたい、このように考えているわけでありますが、そういう収容施設をつくりましても、なお全部の子供さんを施設に収容することができない。そこで、在宅の子供さんに対する特別扶養手当の支給ということをあわせ行なうわけでございますが、この点につきましては、所得制限が本来あるべきものではない。これは、ちょうど施設に収容した場合の介護料に相当するような性格のものでございますから、お説のとおり、私は昭和四十二年度の予算編成にあたりましては、ぜひこの所得制限の撤廃ということにつきまして最善の努力を払いたいと考えておる次第でございます。

出典:国会会議録 ↗

1968年(昭和43年)以降の変遷

第58回国会参議院 / 社会労働委員会第15号 / 昭和43年5月21日
答弁渥美節夫児童家庭局長

(略)

 それから第二点でございますが、特別児童扶養手当の性格の問題でございますが、これは、御承知のとおり、特別児童扶養手当という制度が、重度の精神薄弱児なりあるいは重度の身体障害児を持っている家庭におきまして、特別にそういった子供に介護が必要であるというふうな実態に着目いたしまして、心身障害児対策の一環としてその父及びその他の養育者に対しまして手当を支給するということでございます。したがいまして、御指摘のように、現在は、原則としては公的年金の給付との併給がなされていないとか、あるいは所得制限が設けられておるとかというふうな問題がございますので、こういうふうな特別児童扶養手当の性格からかんがみまして、御指摘の二つの問題点につきましては、今後ともに十分改善に努力をいたさなければならない、かように思っておるわけでございます。

(略)

出典:国会会議録 ↗
第61回国会衆議院 / 社会労働委員会第18号 / 昭和44年5月15日
答弁渥美節夫児童家庭局長

まず、手当の額の問題、あるいは所得制限緩和の問題、こういった問題につきましては、先生も御承知のように、従来から福祉年金、母子福祉年金などとずっと歩調がそろってまいっておりますので、その歩調によりまして要求したのでありまして、これは昨年の附帯決議の第二項にもそのようになっておるわけでございます。

(略)

出典:国会会議録 ↗
答弁渥美節夫児童家庭局長

児童扶養手当と特別児童扶養手当はそれぞれ目的が違いますので、まず児童扶養手当から申し上げますと、児童扶養手当は、御承知のように、公的年金でございますところの母子福祉年金を補完する、いわば生別母子世帯に対します母子福祉年金という性格でございますので、そういった考え方から申し上げますれば、やはり一種の所得保障というふうな性格であろうと思います。次に特別児童扶養手当につきましては、これもお話のように、いろいろと議論がございますけれども、所得保障であるとともに介護料的な性格を持つというふうなことになろうか、そのように考えられるわけでございます。

出典:国会会議録 ↗
第61回国会衆議院 / 社会労働委員会第23号 / 昭和44年6月4日
答弁渥美節夫児童家庭局長

先ほど申し上げましたように、特別児童扶養手当自体が所得制限の規定等もございまして、したがいまして、一種の所得保障の一環であるというふうな性格を持っているわけでございます。一方、介護料的な性格を持つわけでありますが、内容的には所得保障であるというふうな観点から、公的年金との併給が実現を見なかったわけでございます。しかしながら、私どもといたしましては、その介護料的な性格というものを十分に訴えて、その併給をいたすように努力したのでございますが、従来の制度の経緯もございまして、その点の予算化の実現を見なかった、こういうことでございます。

出典:国会会議録 ↗
第61回国会衆議院 / 社会労働委員会第24号 / 昭和44年6月5日
答弁渥美節夫児童家庭局長

特別児童扶養手当は、まさに重度の心身障害児を扶養する者に対しまして支給され、その子供の福祉をはかるわけでございます。しかしながら、現行といたしましては、その支給の内容が所得保障的な面を持っております。そういうような意味におきまして、いろいろと所得制限等が課せられておるのでございますが、同時に、この特別児童扶養手当は、その内容といたしましては、そういった特別の状態にある子供に対する介護料的な性格を持っておる、かように考えております。したがいまして、御指摘の所得制限の問題は確かに重要な問題でございますので、そういった点につきましても今後努力を続けてまいりたい、かように考えております。

出典:国会会議録 ↗
第61回国会参議院 / 社会労働委員会第32号 / 昭和44年7月15日
答弁渥美節夫児童家庭局長

特別児童扶養手当の場合には、所得制限をはずすとか、あるいは他の福祉年金との併給とか、こういうことを行なうことができるように、そのように検討をする必要がある。それは、同時に、その趣旨が介護料としての目的を持ったものであるからである、かように考えます。したがいまして、これはそのような目的に沿うようにこの特別児童扶養手当制度を考え直す必要がある、かように考えておるわけでございます。

出典:国会会議録 ↗
第63回国会参議院 / 社会労働委員会第20号 / 昭和45年5月12日
答弁坂元貞一郎児童家庭局長

特別児童扶養手当の性格は、すでに御承知のように、重度の精神薄弱児あるいは身体障害児につきまして、心身障害児対策の一環としまして必要な手当を支給しまして児童の福祉を増進する、こういうところにあるわけでありまして、いまお述べになりましたように、所得保障的な性格、もちろんこれは基本になりますが、若干、介護という実態に着目した介護料的な意味もあることも否定はできないと思います。したがいまして、いま御指摘のように、この性格というものを介護料的な性格に徹するということになりますと、これは、どうしても現在の法律の仕組みを根本からもう一回再検討する必要があるわけでございます。したがいまして、これはやはり今後の研究課題としまして、広い立場においでこの種の手当制度というものをどうするか、もちろんこれは児童手当制度との関連も出てまいりますし、そういうような広い立場でこの制度の性格なり、位置づけをどうするか、今後研究していく必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

そういうような意味合いからしまして、いま所得制限の撤廃ということについての御意見がございましたが、私どもとしましては、やはり現行の制度なり、体系を前提としている以上は、今後所得制限を完全に全面的に撤廃するということは、なかなかこれは他の制度との関係がございましてむずかしいんじゃないかと思いますので、従来の方針どおり、所得制限をできるだけ限度額を引き上げる等の緩和方策ということを今後の方向として考えていくべきだと、こういうふうに考えているわけでございます。

(略)

それから最後に、障害福祉年金の額と特別児童扶養手当の額が一致していないという点の御指摘でございますが、これも冒頭に申し上げましたように、特別児童扶養手当というものが大体児童扶養手当と同様な考え方に基づきましてその金額がきめられておるというような過去の経緯、あるいは現在の法体系の仕組み等からいいまして、障害福祉年金よりも額が低くなっているわけであります。この点はやはり制度の全体の仕組みというものをもう一回考え直すということをしないと、なかなか障害福祉年金と同一の額にするというわけにすぐにはいかないかと思いますが、やはり今後のこれは制度全体の体系として検討する問題だと、こういうふうに考えているわけでございます。

出典:国会会議録 ↗
第71回国会参議院 / 社会労働委員会第23号 / 昭和48年9月11日
答弁翁久次郎児童家庭局長

特別児童扶養手当につきましては、確かにただいま御指摘のように、まさに介護料的なものとして発足したものでございます。重度の身体障害あるいは重度の精薄のお子さんを持っておられる扶養義務者に対して介護料として手当を支給するというのが法律の趣旨でございます。したがいまして、今回の改正でもお願いしておりますように、公的年金との併給を原則として認めるという方向で改善をした次第でございます。また、所得制限の問題につきましては、特にことしは扶養義務者、五人の平均家族を持った扶養義務者に対して六百万の年額所得まで引き上げたわけでございます。これはいわば大体の相当な富裕な家庭でも介護料的な手当が支給できるという仕組みになっておるわけでございまして、これは今後とももっと所得制限については大幅に改善をはかってまいりたいと考えております。ただ、全くこれを撤廃するということにつきましては必ずしもそうしなくても、実際にいま申し上げましたように、大幅な改善によって制度の本来の趣旨は果たし得るのではないか、こういうように考えておりますので、私どもといたしましては、所得制限につきましては今後、物価、あるいは国民の生活水準等も考えながら大幅な改善ということを中心に考えてまいりたいと、こういうように考えております。

出典:国会会議録 ↗
第208回国会参議院 / 予算委員会第3号 / 令和4年2月25日
答弁後藤茂之厚生労働大臣

特別児童扶養手当は、障害児の生活の向上に寄与することで障害児の福祉の増進を図るものであり、一定額以上の収入がある場合には支給しないこととしております。その所得制限については、児童手当等の他の給付制度も制限があることや、障害福祉サービス等についても所得に応じた利用者負担の仕組みとなっていること等を踏まえて考えるべきだということで、そういう制度になっております。

出典:国会会議録 ↗