動態デザイン研究室100のくらし 一覧
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我が家には特別支援学校に通う小学生の息子がいます。NICU(新生児集中治療室)で超稀少難病と診断され、専門医のいる都内の大学病院に転院しました。その後、骨髄移植などの濃厚治療を経て、ようやく退院できたのは2歳半の頃でした。

出産当時、母である私は正社員として働いていました。息子の退院の見通しが立たない中、人事に交渉し、産休・育休から介護休暇への切り替えを模索しましたが、区役所で言われたのは「ご自分で息子さん専属の看護師を用意されるなら保育園も受け入れるそうですよ」という一言でした。この言葉はどうしても忘れられません。当時は医療的ケア児を受け入れる保育園は存在せず、当然にして個人で看護師を雇うこともできず、私は退職せざるを得ませんでした。やっと息子の命の危機が去っても、今度は仕事を失い絶望しました。

今の息子は、知的障害・身体障害・難病を併せ持つ「動ける医療的ケア児」です。毎日細やかなケアが必要ですが、家族に笑顔と幸せを与えてくれるかけがえのない存在です。それでも「私の人生はどこにいったのだろう」と考えてしまう瞬間があります。

障害児を育てる親には、特に母親に、選択肢がほとんどありません。社会復帰を望んでも、子どものケアが最優先。短時間パートであっても、夏休みなどの長期休暇は放課後デイサービスの預かり時間は11時半〜17時頃と短く、学校がある日も送迎や頻繁な呼び出し、複数の定期通院が重なり、働くことは困難です。学校へは車で片道1時間。家では医療的ケア。介護食作りも手間がかかります。地元の中学に通う娘もおり、こんな状態では働けないです。

祖父母が近くにいる、理想的な職場がたまたま近いなど、環境に恵まれたごく一部の人しか働けていません。

それでも、そうした家庭にも容赦なく所得制限がかかります。精神的に追い詰められているのに、きょうだい児の学費すら貯められません。「相談窓口」に行っても「お母さん、頑張ってますね」で終わり、解決策は提示されません。

現在、所得制限を受けている家庭は「就職氷河期世代」が多いのではないでしょうか。不遇の世代に、障害児の子育てと所得制限という二重苦を背負わせるのは、あまりに過酷です。努力で道を切り開いてきた人生が、自分の意思とは関係のないところで挫かれてしまう理不尽さ。所得制限は、精神的負担にさらに追い打ちをかける制度です。撤廃を強く望みます。

世の中に伝えたいこと

家族歴もなく、ごくごく普通の若いカップルでも障害児が生まれる可能性はあります。ある日突然、我が子が障害を負うこともあります。一般的なファミリー世代の平均所得でさえ、障害児育児においては所得制限が始まります。所得制限は、福祉に頼らざるを得ない家庭の精神的負担に追い打ちをかける制度だと思います。

コシヒカリ さんのくらし