動態デザイン研究室100のくらし 一覧
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特別支援学校小学部に通う9歳の医療的ケア児(息子)を含む、4人の子どもを育てる共働きの母親です。夫婦ともに高齢出産で46歳になります。息子は早産で生まれ、新生児期に重篤な感染症にかかり、生死をさまよいました。集中治療のおかげで命はつなぎとめられましたが、重い後遺症が残り、医療的ケアを必要とする重症心身障害児としての人生を歩むことになりました。長期入院を経て、2歳7か月でようやく自宅に戻れましたが、その後も9歳9か月の現在まで、何度も入院と手術を繰り返しています。

息子はこれまで、生きるための治療を懸命に取り組み、幾度も壁を乗り越えてきました。新生児医療・小児医療において東京都は自己負担がなく、経済的な不安を抱えずに治療に専念できたことには本当に感謝しています。しかし今、私たち家族が直面しているのは「生存の壁」よりも「社会制度の壁」です。とりわけ「障害児福祉における所得制限」は私たちを経済的に追い詰めています。

私たちのように障害児を育てる多子世帯は、その影響が非常に大きいです。年少扶養控除も廃止され、厳しい年収要件のもとで1円でも超えると手当がゼロになり、自己負担が一気に跳ね上がります。所得制限を受けている我が家の実例です。

  • 特別児童扶養手当(1級 55,350円) → 手当なし

  • 障害児福祉手当(15,690円) → 手当なし

  • 障害児通所支援(一般は4,600円) → 37,200円

この3つだけで月額103,640円、年間にして1,243,680円の差となります。さらに特別支援教育就学奨励費も対象外です。手取りにして年間125万円以上の差、年収換算では200万円以上の格差が生じています。結果として、年収1,000万円世帯よりも800万円世帯の方が可処分所得が多いという逆転現象が起きています。このような不平等の中では「親亡き後」への備えもままならず、きょうだい児の将来にも影響が出ています。

健常児であれば学童に月5,000円程度で通えます。それに比べ、放課後等デイサービスの自己負担が8倍にものぼるのは、あまりに過酷ではないでしょうか。障害児家庭に対しても、学童水準までの負担軽減策が必要だと考えます。実際に東京23区では、中央区・千代田区・荒川区・新宿区・品川区などが先行して独自に無償化や負担軽減策を実施しています。

東京都では小池百合子知事のリーダーシップにより、すでに「所得制限なし」の子育て支援が次々に打ち出されています。給食費については自治体間格差をなくすために都全域を対象とした補助が2025年1月から実施され、保育料も第一子から無償化が2025年10月から実施される予定です。

どうか障害児家庭も「誰ひとり取り残さない」支援の中に含めてください。理不尽な所得制限によって苦しんでいる障害児とその家族に、平等な支援をお願い申し上げます。

世の中に伝えたいこと

いつの時代もどんな人にも一定の割合で障害児が生まれるし、健常で生まれた子が後天的に障害を持つ可能性はあります。我が子が障害が持ってしまったことは不運だし不便なことではありますが、所得制限という制度のせいで不幸な状況に追い込まれるのは障害児福祉の制度のバグです。

所得制限が持ち込まれた時代とインフレ下の現在では所得水準も上がっていますし、ナンセンスな線引きが分断を生んでいます。少数派だからと言って見て見ぬふりをしないで欲しいです。

しゃにー さんのくらし