動態デザイン研究室100のくらし 一覧
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私たちは夫、私、長男(小5)、次男(小3)の4人家族です。次男はスミスマゲニス症候群(染色体異常)があり、地域の小学校の支援級に通っています。次男には知的障害、睡眠障害、行動障害があります。入学前にはひらがな・カタカナが読め、自転車も乗れますし、4桁のナンバーロック解除もできる、空気入れも入れられる、コマ回しもできます。オムツも日中は外れています。とにかく「常に何かしていたい、動いていたい」というタイプなので、色んな技術は身に付いています。発音不明瞭ではありますが、コミュニケーションやお世話が好きで人懐っこく、地域の友達もたくさんいます。上級生からも可愛がられ、できることの多さに「たいした障害じゃなさそう」と思われることもあります。

しかし実際の生活はとても大変です。朝は夏なら3時半、冬なら5時に起きます。起きてノンビリしていてくれるならいいですが、オムツに出た便を窓やカーテンにつけたり、冷蔵庫を開けて食材を全部開封したり、バナナの皮を全部むいて家中がバナナの皮だらけになったり、備蓄用の洗剤を開封して全部流したり、ドライバーを持ち出して家電やおもちゃをバラバラに分解したり、浴槽に水をためて水遊びをやって家中をびしょ濡れにしたり、大声で叫んだり、とてもじゃないですが、穏やかな生活とは言えません。兄の描いた絵もビリビリに破かれました。

癇癪についても大変です。例えば、私がシャッター開けたらばタタタと走ってきて「僕が開けたかったのに!!」と暴れます。これは、シャッターだけではなく、くり抜いた後のカボチャのタネを見つけた時も、洗濯機のスイッチを押した時ですらそうです。近くにいる夫や兄に「ばか!しね!ぶー!!」と暴言を吐くことも多いです。「じゃあ」ということで、「シャッター閉めてくれる?」と聞けば「ママがやって!」と言うので私が閉めると「やっぱり僕がやりたかった!!」という風になります。

この「やりたい!」「やっぱりやらない!」「やっぱりやる!」が、色んなシーンで一日のうちに40回くらいあります。なので、「シャッター開けたいけど…今はバレるからやめとこう」、「もう夜だからシャッター閉めたいけど…次男が寝てからにしよう…」「洗濯機を回したいけど、今はやめておこう…」など、何かをする時にいちいち考え、色々なことが後回しになってしまいます。気分の急変が酷く、大暴れした1分後には「ねえ、お出かけしよう♪」となります。誰も付いていけません。このため、家族はとてもストレスを感じています。

技術があるゆえの悩みもあります。ボールペンを使おうとしたら、バラバラで芯だけになっている。クイックワイパーで掃除しようとしたら、バラバラになっている。届いた大切な荷物が開封され、ぐちゃぐちゃになっている、シャワーヘッドが分解されている…などなど、分解できそうな物は何でも分解されてしまい、日常生活が普通に送れません。開けられそうな物はすべて開けてしまうので、我が家の全電化製品には、電池の蓋がありません。

時間の概念もないので、早朝や夜に「児童館にいこう!」と外に出てしまいます。そうなると私も追わないわけにいかないし、毎日が寝不足、家事の停滞、分解や破壊された物を直したいけどそれもできず、家の中はぐちゃぐちゃです。

学校や放課後デイでは「困っていませんよ」と言われますが、ホッとする反面とても悔しくもあります。常に人がいて見守りや声掛けができる環境だからだと思います。身近な親族や、親しくしているごく一部のご家族は、次男の色んなシーンを見ているので「とてもじゃないけど、24時間一緒にはいられない…」と言います。体が元気、そして知的障害も軽度なので、いろんなことが"できてしまう"。しかし知的障害により「理屈」というものが殆ど通用しないため、他害となってしまう。そして、年々大変さの規模が拡大している。そんな状況です。

家庭では、このような状態が24時間続くため、家族の疲労感は大きいです。夫の理解が薄いことや、学校からも「言い聞かせればわかる」といった対応をされると、障害への理解がまだまだ足りないと感じ、がっかりすることもあります。長男もきょうだい児として理不尽さに巻き込まれながら日常を送っており、そのことも心苦しいです。

それでもトータル的に見ればお金も困らない程度にああり、近所の方々や福祉の方々に助けられ、家に遊びに来る子や親御さんたちと楽しく過ごす時間もあります。そんな時は次男も落ち着き、家族も少し穏やかに過ごすことができ、とてもありがたく感じています。

世の中に伝えたいこと

なんであの家はシャッター閉めないんだろう、なんで子どもが暴れてても注意しないんだろう、なんで持ち物をきちんと整えて来ないんだろう…

周りにそういう奇妙な家や、非常識な人がいるかもしれません。もしかしたら、ただの非常識、良くない人間なのかもしれません。でも、でも、「本当は、きちんとしたいのにできない」「普通のことを当たり前にしたいのに、できない」、そういう状況の家族もいるんです。

どうか、ただその一場面だけで批判したり、責めたりせずに、「おや?何か事情があるのかも」と少しでも考えを巡らせてくれたらうれしいです。

まき さんのくらし